【第1回CCC】「トマソン収集@三軒茶屋」を2023年11月11日土曜日に開催!

2023年11月1日

 

第1回CCC「トマソン収集@三軒茶屋」フライヤー

©CURIOATE

 

文:CCC企画部

 

建築学科出身の編集部による今までにないウェブメディアCURIOATEが主催する、月に1度の自主ゼミ活動【CCC】の第1回『トマソン収集@三軒茶屋」が2023年11月11日土曜日に開催される。初回となる今回は、三軒茶屋でのトマソン収集(街歩き)というアカデミックなフィールドワークを行った後、第一線で活躍するアーティスト・発明家・グラフィックデザイナー・DJ・VJ・ラッパーによる音楽イベント「小さなパーティ」を体験するという流れである。

 

CCCとは?


CURIOATEの語源はcreate(創造する)・curate(収集する)・curious(好奇心)の三単語から成り立っている。CCCは、その三単語の頭文字をとり、

①創作意欲を掻き立てる。

②収集意欲を強くする。

③好奇心を満たす。

の3つをコンセプトに月に1回のリアルイベント(ゼミ活動)を開催する。

 

そもそも、CCCが企画されたのは「社会人になると仕事以外でのアウトプットの機会がなくなってしまう」という業界内の先輩たちの声だった。たしかに、学生時代はゼミ活動で積極的に意見を出したり、教授やゼミ生との活発なコミュニケーションがあっただろう。しかし、社会に出るとそのような活動は姿を消し、創作意欲・収集意欲・好奇心を満たすために週末に美術館へ行って芸術鑑賞をしたり、長期休暇で旅行をして陶芸体験をやったりする。その行動によってインプットされた多くの情報は、仕事で携わっているプロジェクトだけではアウトプットしきれず、時間と共に忘れ去られていく…。

 

CCCには、プライベートでのアウトプットの機会として参加してほしい。今回のような街歩きイベントでは、積極的に主催スタッフや他の参加者とコミュニケーションをとっていただきたい。

 

もちろん、社会人だけでなく現在進行形で盛んにアウトプットしている大学生・大学院生や、建築教育を受けてこなかった方の参加も大歓迎だ。

 

 

トマソンとは?


 

雑誌『写真時代』における赤瀬川原平の連載を機に広く知られるところとなった概念。トマソンとは、主に都市空間に見られる、不動産と一体化しつつ「無用の長物的物件」となった建築物の一部のことを指す。

 

トマソンの語源は、元プロ野球選手で、読売ジャイアンツに所属したゲーリー・トマソンに由来する。赤瀬川は、美しく保存された無用の長物であるそれら建築物の断片を、四番打者として存在感を誇示しながらチームに貢献することなく終わったゲーリー・トマソンの姿になぞらえた。赤瀬川は『写真時代』を通じて読者から各地の「トマソン」を募り、集団的なアーカイヴとして蓄積した。トマソンは主に写真によって記録され、そこには「物件」という単位が与えられた。

 

北区志茂にあるトマソン

北区志茂にあるトマソンの例

photo:筆者撮影

 

1972年に、赤瀬川、南伸坊、松田哲夫が東京・四谷を歩いている際に、昇り降りすること以外の機能を持たない「四谷の純粋階段」が「発見」され、トマソン1号となった。その後「江古田の無用窓」「お茶の水の無用門」などが発見されていく。また、隣家の消滅によりそのシルエットが壁に残されたものを「原爆タイプ」と呼ぶなど、彼らはトマソンにさまざまな「タイプ」を与え分類した。トマソンには、いくつかの文化史的起源を与えることができる。まず、トマソンがもともと芸術としてつくられたものではない既存の物体であったという点において、マルセル・デュシャンのレディメイド。そして、赤瀬川らが、60年代に制作していたいわゆる「反芸術」的傾向のオブジェが、高度経済成長期にそこから脱落した廃材やゴミを使用していたことも「無用の長物」であるトマソンと関係しているだろう。

 

さらに、トマソンの探索が都市のフィールドワークを伴うという点においては、今和次郎の「考現学」との関連性も強い。加えて、小型カメラを使い「路上」を探索するという点では同時代の日本のスナップ写真とも連動している。都市を独特のユーモラスな視点によって再発見していくトマソン探索の行為は、社会的にも大きな反響を呼んだ。その成果は、のちに赤瀬川の手により『超芸術トマソン』として書籍化され、その後の「路上観察学会」へと発展していく。

 

タイムテーブル


 

日程:2023年11月11日土曜日

 

14:30

集合地点:世田谷警察署三軒茶屋交番前

 

~17:45

トマソン収集。お酒やソフトドリンクを片手に三軒茶屋の街を歩く。カメラやメモを持参すると◎。

 

18:00~

「小さなパーティ」

場所

三軒茶屋 Space Orbit

 

建築系DJ、会社員ラッパー、山の中からやって来た鍵盤弾き、静かなモジュラーシンセサイザラー、対話型音楽AIとそれを作る発明家、光と映像を作る人々、謎の虚無僧、質感を操るグラフィックデザイナー、文字を面白く使う作家で作り上げられたイベント「小さなパーティ」を体験。


 

小さなパーティのフライヤー

©櫻井美那

 

※CCC参加予定の方は、小さなパーティの前売り券をお買い求めにならないようお気をつけください。

 

 

小さなパーティで体験・鑑賞できる作品(抜粋)


ペノテアスタジオによるアコースティックシンセサイザー“Penotron”

 

ペノテアスタジオによる楽器penotron

画像提供:penotea studio

 

電子楽器「Penotron(ペノトロン)」は、物語を軸に発想を行い、その裏付けとして必要な構造、技術からデザインするデザインスタジオ【Penotea studio】による作品だ。従来の楽器は、金管楽器や木管楽器のように穴を抑えたりバルブを抑えたりして空気の通り道を変えることによって音階を作り出したり、鍵盤楽器や弦楽器のように弦の長さを変えて音階を作り出している。しかしこのペノトロンは、楽器と演奏者の手の距離をセンサーが計測し、それに応じて音階が作り出される。それによって身体や心情により近い演奏を行うことができるのだ。「小さなパーティ」ではぺのてあ氏本人による生演奏をご覧いただける。

 


ペノテアスタジオによる物体のバンドシステム“VIVIFISER”

 

ペノテアスタジオによる楽器vivifiser

画像提供:penotea studio

 

 

こちらはペノトロンとは反対に、ビートを作り出す楽器たちだ。石や木、椅子や本などの静的な物体が音を出し始める。何がすごいかというと、そこから出される音は電子音ではなく物理的な「音」であること。文字では表現しきれないので実際に「小さなパーティ」で見てみることを推奨する。

 


 

tettou771によるChatGPTを用いた作曲実験“MIDI Chat”

 

鉄塔771によるChatGPTを使った楽曲生成チャッピー

画像提供:tettou771

 

(以下、tettou771によるテキスト)

MIDI Chatは、本来は言語の生成AIであるChatGPTを利用してその場に応じて作曲する実験です。 音楽は言葉とは全く異なる表現方法ではありますが、コード理論や楽譜をベースにした作曲方法は意外に言語的な感覚に近い部分もありそうです。 それならば言語の生成システムを用いて作曲をしてもできるかもしれない、という発想を起点にしています。 今回は、即興の歌やリクエストに応じてMIDIシーケンスを即興で生成するという形で実装しています。

 

「小さなパーティ」詳細


 

会場:三軒茶屋Space Orbit

 

〒154-0004

東京都世田谷区太子堂5丁目28−9 B1F

 

 

18:00 Open

18:00~ 【DJ】建築系DJ・SHOTAROによる厳選HIPHOP

18:30~ 【LIVE】 会社員ラッパーTSUJI with. DJ SHOTARO

19:00~ 【LIVE】山の中からやって来た鍵盤弾きhirano

19:30~【SESSION】

19:40~ 【CHILL】フリータイム

20:10~ 【EXPERIMENT】鉄塔771によるMidiChat

20:40~ 【LIVE】S_FIX_による虚無僧

20:50~ 【BEAT LIVE】cyanoによるモジュラーシンセ

21:10~ 【LIVE】ぺのてあによるペノトロンとVIVIFISER

21:30~【SESSION】

 

VJ:S_FIX_ / アイザワチサト / 櫻井美那

 

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